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かゆいところに手が届く! 選りすぐり「Design Force 2018 新機能紹介」


先月号に続き、今回も新機能の中から一部の機能について、実際の操作感を交えてお伝えします。
作業負荷軽減や、対策検討優先度の判断アシストなど、効率大幅アップとなる機能を2つ紹介します。

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機能ブロックごとのレイアウト作業を圧倒的に加速させる『自動配置』
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部品レイアウト段階では、ICや、コネクタなどの主要部品の配置を決めた後、基板の外に仮置きされている細々した部品の配置作業を行いますが、部品点数が多いとかなり手間がかかりますよね。機能ブロック毎に部品をまとめるだけでも一苦労かと思います。
Design Forceでは、2017以前からも「回路図どおりに配置」機能の追加や「部品セレクターパネル」の多機能化などを行い、このような作業負担の軽減を目指してきました。そして満を持して、Design Force 2018では「自動配置」機能をリリースします!
さらなる作業負担の軽減が期待できるこの機能について、操作感がわかるムービーを含めて紹介します。
 
コネクタ等の重要部品のみ配置後:基板外にその他の部品が多数存在

図1. コネクタ等の重要部品のみ配置後:基板外にその他の部品が多数存在

 
「自動配置」機能は、レイアウト領域または部品グループ領域を使って部品を配置してくれます。
部品グループは、回路設計時にDesign Gateway上で部品をフレームで囲えば設定できます。そして部品グループの設定は、Design Gatewayのネットリストを読み込むことにより、Design Forceであらためて行う必要がなくなります。もちろんDesign Forceでも下図のツールで部品グループの設定ができます。
 
部品グループ設定GUI

図2. 部品グループ設定GUI

 
あとは、Design Force上で部品グループ領域を作成するだけで準備完了です。
IC周辺の部品グループ領域設定後

図3. IC周辺の部品グループ領域設定後

 
ここからはムービーをご覧ください。
自動配置機能がネットの接続や部品グループの情報から部品を自動で配置します。
 

 
 
この機能は、Design ForceとIntelligence Place and Routeを導入していれば、2018にバージョンアップするだけで、すぐにご利用いただけます。

いかがでしょうか。これなら、基板の外に点在する部品を1つ1つ掴んで配置するよりも、圧倒的に短い時間で必要な部品を集められますよね。
主要部品の「移動禁止」属性や、層の「配置禁止領域」なども考慮されるので、フロアプラン工程での配置検討にも活用できます。

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フィールドソルバーを活用した『クロストーク違反レポート』
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電子基板設計で高速化・大電流化が進むと、「クロストークノイズ」が発生する可能性が高くなるので、配線設計ではこれまで以上のケアが求められます。しかし、基板のあちこちに配線が並走する箇所が存在するので、どこから手を付けていいのか悩むという方も多いのではないでしょうか。
Design Force 2017以前からも、SI解析モジュールでの「クロストーク解析」機能や、EMC Adviser EXでの「配線クロストークチェック」機能などで配線設計を支援してきました。これらの機能を設計で活用し、クロストークをケアされている方も多いと思います。
Design Force 2018では、標準搭載されているフィールドソルバーやSI解析用のスティミュラス設定を用いてクロストーク電圧を高速にチェックし、レポートする機能が登場します!
下図4のように、クロストークの問題が起こる可能性の高い箇所をスピーディに発見し、修正が行えるようになりました。
 
IC周辺の部品グループ領域設定後

図4. クロストーク違反箇所のブリンク表示

 
実際に、信号500本を一度にチェックしたところ、わずか10数秒で結果が返ってきました。このレスポンス速度なら、設計中のセルフチェックでも気軽に活用できると思います。また、チェックしたい信号を絞り込んでから実行することもできるので、例えば「CLKだけ重点的に検証する」といった使い方も可能です。
クロストーク違反レポートウィンドウでは、『クロストーク電圧』の大きい順に並べ替えることができ、問題が起こる可能性が大きい箇所から優先的に確認を進められます。
また、このレポートウィンドウからは、トポロジー図や、クロストークSI解析結果が参照できます(下図5)。
これにより、伝送線路間の相互結合や配線長、伝搬遅延、過渡応答の情報からより詳細にクロストークノイズの対策検討が行えます。
クロストーク違反レポートとトポロジー・波形検証との連携

図5. クロストーク違反レポートとトポロジー・波形検証との連携

 
この機能は、Design ForceとDesign Force SIを導入していれば、2018にバージョンアップするだけで、すぐにご利用いただけます。
いかがでしたでしょうか。Design Force2018 では他にもたくさんの新機能がリリースされます。引き続きあと1回、新機能を紹介していきます。
設計者の皆様には是非、2018にバージョンアップして、これらの機能の効果をお試しいただければと思います。
評価・検討のお問い合わせはこちらからお願いします。

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本連載の Design Force 2018新機能一覧

 

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